いつだってわかるんだよ、君の声は
残り2回。聞けなかったんです。
どうしても受け入れられなくて、村上信五という男が、最後の男がそのブースを去っていくことが。築き上げてきたのはたしかに彼らだったのに。
古いものは新しくしていかなければならない。それは続けていくために。わかってはいるんだけれど、古いものだって、新しくなれていた。新しくなろうとした。
でも、もうどうしようもない時がきてしまった。
きっとネガティブな終わり、ではなく、これははじめるためのひとつだと思う。きっとね。
みんな寂しいな、って思いながら聞いてたんだよね。絶対そうだよ。寂しいよな、な?って来てくれたんだ。
横山裕が、きてくれた。
タイトルコールしようよ。いやいや、もう終わるよ、って相棒に笑われながら、してくれた。それなら5時までやろうよ、って笑いながら返してくれた。
わたしはそこしか聞けなかった。それ以上のやり取りは聞けなかった。切なかった。刹那だった。村上さんはいつだって残される側だった。ヒルナンデスでは残していく側だった。
全部全部知っている村上さんが今度は残すでも、残されるでもなく、帰っていくのだ。仲間の元に。横山さんは、いつだって寂しい思いをしてきた大切な相棒を迎えに来てくれた。酒でも飲んで帰るか、って。
罪な男だな、横山裕。
誰が泣かずに聞いていられるんだよ。
誰が喜ばずにいられるんだよ。
悲しいとか、寂しいとか、この野郎とか、そんな終わりにしないように。よかったね、お疲れ様だね。帰ろうね。ってみんなが思えるようにしてくれてありがとう。
ちゃんと見届けよう。聞けない、なんて子供みたいなこと言わないで、ちゃんと聞こう。
期待しちゃうじゃないか。